日本の音楽シーンにおける重要な時代を捉えたURCレコードが、再びその輝きを取り戻します。今回リリースされる『URC銘曲集4 1970年頃、高円寺「ムーヴィン」で流れていたレコード』は、その名の通り、かつて高円寺の伝説的ロック喫茶「ムーヴィン」で流れていた音楽を集結させたものです。
「ムーヴィン」は1969年から1975年までのわずか数年間高円寺に存在し、ロックやフォーク、ジャズのサウンドが夜な夜な流れる特別な空間でした。オーナー兼マスターである和田博巳氏が選曲・監修を行ったこのコンピレーションは、当時の息吹をそのまま伝える貴重なコレクションと言えるでしょう。和田氏は新宿の名門ジャズ喫茶「DIG」に勤務後、自身の店を持ち、「ムーヴィン」をオープン。彼の情熱と知識は、多くの音楽ファンに愛され、多くの才能が集いつつ、重要なムーブメントを作り出しました。
URCの黎明期に焦点を当てたこのコンピレーションには、岡林信康やはっぴいえんど、友部正人、高田渡などの伝説的アーティストの名曲が収録されています。「私たちの望むものは」や「12月の雨の日」など、時代を超えて愛される名曲たちが詰まっています。さらに、和田博巳氏の書き下ろし小史も全8ページのブックレットに収められ、当時の雰囲気や背景を詳しく知ることができます。
特に興味深いのは、高円寺「ムーヴィン」のクラシックなサウンドとURCアーティストのエネルギッシュな楽曲が、どのようにして一体になっていたかという点です。当時のレコードを聴いていた人々にとって、また新しい世代の音楽ファンにとっても、このコンピレーションは非常に価値のある一枚となるでしょう。
今回のリリースは、ソニー・ミュージックの最新リマスタリング技術を駆使し、2024年6月26日にBlu-spec CD2形式で販売されます。品質の高さはもちろん、多くのファンが待ち望んでいた復刻再発シリーズでもあり、その期待感は非常に高まっています。価格も2,500円(税込)と手頃で、これが音楽ファンにとって手に入れやすいものであればと考えています。
かつての「ムーヴィン」での思い出を甦らせるべく、そして新しい時代の音楽ファンにその魅力を伝えるべくリリースされる『URC銘曲集4 1970年頃、高円寺「ムーヴィン」で流れていたレコード』。和田博巳氏の情熱と、多くの音楽愛好家たちが織り成す音楽の軌跡を、ぜひこの機会にお楽しみください。URCレコード復刻シリーズのウェブサイトも訪れて、その全貌をチェックしてみましょう。